Q3回答理由
目次
賛成の理由
熊谷大 自・現 宮城
厚生労働省の調査によれば,雇用トラブルの90%以上が金銭にてトラブルを解決している実態に合わせた。
反対の理由
木戸口英司 無・新 岩手
解雇が不当であっても金銭で解決できることとなれば安易な解雇が助長される。また,不当解雇された労働者が職場復帰を望んでも,その道が閉ざされることになりかねない。
道用悦子 無・新 富山
不当解雇を合法化するもの。お金で解雇できることで,解雇の自由化に道を開く。
柴田未来 無・新 石川
解雇のハードルを下げ,解雇され困っている方々に仕事を派遣・紹介する業者などが口を開けて待っている・・その会社が儲かる・・・そんなカラクリが透けて見える。金銭解決をした企業は公開される等の仕組みも必要だと思う。
若林健太 自・現 長野
労働者の選択を狭めることになるため,現行制度のままでよい。企業に対しては,是正指導や企業名の公表などの強化を図る。
杉尾秀哉 民・新 長野
解雇無効が,金銭により解雇できるなどは理解できません。解雇無効は解雇無効。和解は和解。別物です。金銭により全てが解決できるわけではありません。解雇権の濫用につながります。
田野辺隆男 無・新 栃木
戦後の労働者保護のための制度として成立した解雇権濫用の法理が形骸化する危険性が大きく,労働者の自己決定権を奪うことにもなる。
また,事後的な(解雇無効が確認された後の)労働者の申出による金銭解決制度も,その解決金が合理的で適正なものになるとは考えられない。使用者が解雇しやすい制度になる危険性が高いと思われ,消極的に考えざるを得ない。”
由良登信 無・新 和歌山
こうした「解雇の金銭解決制度」が導入されれば,違法な解雇であっても,労働者は職場に戻れなくなってしまいます。つまるところ,会社にとってはお金さえ払えば労働者を解雇できる制度であるために,会社は裁判で負けるリスクなどお構いなしに解雇を行うようになるでしょう。したがって,こうした制度は絶対に導入すべきではありません。
確かに,職場復帰を希望せずにお金をもらいたいという労働者もいます。しかし,そのような希望があった場合,2006年から制度化されている労働審判においても同様の解決をはかることが可能となっています。このような状況にある以上,金銭的な解決を望む労働者が存在していることを理由に,新たな制度を導入する必要はありません。”
黒石健太郎 民・新 岡山
解雇の金銭解決制度が導入されれば,違法な解雇であっても,労働者は職場に戻れなくなる。使用者にとってはお金さえ払えば労働者を解雇できる制度であるため,裁判で負けるリスクを考慮することなく解雇を行うようになる。中小企業などでは今でも横行している不当解雇がさらに増えることになり,導入すべきではない。
田辺健一 共・新 香川
経営者の一方的都合で解雇でき,いっそう解雇が不安定化します。「首切り自由の国」になることは明らかで反対です。
永江孝子 無・新 愛媛
人をコスト扱いすることに断固反対。人間の尊厳として,勤労の義務ならびに生きがいとしての働く意欲のある人を大切にすることが,重要である。
阿部広美 無・新 熊本
お金さえ払えばどんどんと解雇ができるということになれば,この制度が悪用されることは目に見えている。これまでの日本の労働者保護制度を根底から覆すことになる。
下町和三 無・新 鹿児島
安易な解雇が横行する可能性を否定できない。余りに雇用する側に都合の良い制度である。
伊波洋一 無・新 沖縄
カネさえ払えばクビ切りを自由化するもので,断固反対する。
「その他」の理由
古庄玄知 自・新 大分
不当解雇と裁判所が判断しても元の職場に帰りづらいので,金銭で解決するこの制度は現実的な対応と思うが,悪用されやすい。西欧先進国で定められているように,不当解雇しないよう解雇規制法でルールを定める事が大切。また,元の職場に復帰する為の就労請求権なども考えられる。